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ラーメンと健康診断の数値|頻度と食べ方の設計

健康診断で血圧や脂質の数値を指摘されたことをきっかけに、好きなラーメンとどう付き合うか考える人は多いのではないだろうか。この記事は、ラーメンを食べてはいけないという話ではなく、数値と頻度・食べ方をどう考えればよいかを整理するものだ。個別の健康状態については、この記事の内容にかかわらず医師や管理栄養士に相談してほしい。

健康診断と付き合うための要点

  • ラーメン1杯の塩分量と、国が示す食塩摂取量の目標値
  • 健康診断の数値との関係をどう読むか
  • 頻度の考え方と、スープを残す以外にできる工夫
  • 家で作る場合は塩分を自分で調整できる
  • 栄養成分表示のナトリウムを食塩相当量に直す計算

国が示す食塩の目標量は男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食塩摂取量の目標量は男性で1日7.5グラム未満、女性で6.5グラム未満とされている。一方、令和5年国民健康・栄養調査によると、20歳以上の実際の食塩摂取量は男性10.7グラム、女性9.1グラムと、目標量を上回っている状況にある。男女を合わせた全体の平均値は1日9.8グラムで、目標量との差は男女とも2グラムを超える。

これとは別に、高血圧で治療している人は1日6.0グラム未満にすることが勧められている。こちらは治療中の人に向けた数字で、一般の成人に向けた目標量(男性7.5グラム未満・女性6.5グラム未満)とは対象が違う。健康診断で血圧を指摘された段階で、どちらを自分の目安にするかは医師に確認して決めたい。

スープまで飲むと、1杯で1日分に迫る

ラーメン1杯には、麺とスープを合わせて約6.0〜8.0グラムの食塩相当量が含まれるとされる。スープまで飲み干した場合、それだけで1日の目標量に迫るか、上回ってしまう計算になる。日本人の食塩摂取の約7割は調味料由来とされ、麺類はその中でも塩分の摂取源として比較的大きな割合を占めるとされている。

この6.0〜8.0グラムという幅は自治体の減塩資料の数字とも近く、しょうゆラーメン1杯(汁を含む)で約7.1グラムとする資料がある。一方で、外食のしょうゆラーメンを10.2グラムとする例もあり、店や商品による差は大きい。麺類全般で見ると、きつねうどん1杯(汁を含む)でも約6.6グラムとされ、汁に塩分が集まる点はラーメンに限らない。

項目 目安
1日の食塩摂取目標量(成人男性) 7.5グラム未満
1日の食塩摂取目標量(成人女性) 6.5グラム未満
ラーメン1杯(スープ含む)の食塩相当量 約6.0〜8.0グラム
麺だけ食べてスープを残した場合 大幅に減らせる(スープの塩分の多くをカットできる)

血圧は塩分、脂質は脂の多いスープと関わる

健康診断の項目の中では、血圧や脂質(LDLコレステロール・中性脂肪)の数値が、食習慣との関連で語られることが多い。塩分の摂りすぎは血圧に、豚骨や背脂を使ったスープに含まれる脂質は中性脂肪やコレステロールの数値に、それぞれ影響しうる要因のひとつとされている。ただし、数値の変化は食習慣以外にも運動量や体質、他の食事内容など複数の要因が関わるため、ラーメンだけが原因と単純に結びつけることはできない。健康診断で数値を指摘された場合は、自己判断で対応するのではなく、医師や管理栄養士に相談したうえで、食習慣全体を見直すことが基本になる。

週に何回という基準はない。習慣になっていないかを見る

「週に何回までなら大丈夫か」という明確な基準は示せないが、毎日のように習慣的に食べている場合は、他の食事とのバランスを見直す余地があると考える人が多いようだ。逆に、たまに楽しむ範囲であれば、過度に神経質になる必要はないという考え方もできる。頻度の感覚は、ラーメン以外の食事でどれだけ塩分・脂質を摂っているかにも左右されるため、1日の食事全体で振り返ることが大切になる。

筆者の見方では、外食のラーメンを週の楽しみとして続けたい人には、ラーメンの日をあらかじめ決めておき、その日の他の食事で塩分を控える組み立てが向いている。たとえば同じ日にうどんやそばを汁ごと食べる、味の濃いおかずを重ねるといった組み合わせを避けるだけでも、1日の合計は変わってくる。反対に、スープを最後まで飲み干すところまでがラーメンの楽しみだという人には、食べ方を変えるより回数を絞るほうが合うのではないかと筆者は考える。

スープを残す、野菜を足す、麺を少なめに

  • スープを飲み干さず、麺と具材を中心に食べる
  • 野菜トッピングを追加して、栄養バランスを補う
  • 麺の量を選べる店では、少なめを選択肢に入れる
  • 塩分の少ないスープ系統(魚介系・塩系など、店や商品によって差はある)を選ぶ
  • 替え玉よりもトッピングでボリュームを出す

スープを残すことは、味への評価とは別の話として、塩分摂取量を大きく左右する現実的な工夫のひとつになる。

注文時にできる工夫は、スープ半分とうす味の相談

自治体の減塩資料では、ラーメンやうどんの汁を半分残せば食塩は約50%減るとされている。別の資料では、しょうゆラーメン1杯分のスープの食塩相当量を4.8グラムとし、半分残せば2.4グラムになると示している。全部残すのが難しくても、半分でとめるだけで減らせる量ははっきりしている。

同じ資料は、注文時に「うす味にしてください」と伝える方法も挙げ、言えば対応してくれる店が多いとしている。ただし、味の調整に応じるかどうかは店次第だ。頼めるかどうかを確かめたうえで、無理のない範囲で相談するのがよい。

卓上のこしょうやラー油、たれなどの調味料は、最初から足さずにまずスープの味をみてから使うと、足しすぎを防ぎやすい。

栄養成分表示のナトリウムは2.54倍して食塩相当量に直す

カップ麺や市販の生麺、チェーン店のメニューなどでは、栄養成分表示が塩分を知る手がかりになる。食塩相当量が書かれていればその数字をそのまま見ればよいが、ナトリウムの量だけが書かれている場合は、次の式で食塩相当量に換算する。

ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)

たとえばナトリウムが2,000mgと書かれていれば、2,000×2.54=5,080、これを1000で割って食塩相当量は約5.08グラムになる。ナトリウムの数字をそのまま食塩の量と受け取ると、実際より少なく見積もってしまう。スープ込みの数字か、麺だけの数字かもあわせて確認しておきたい。

家ならスープの量を自分で決められる

市販のスープと生麺を組み合わせて自宅で作る場合は、スープの量を自分で調整できるという利点がある。既定量より少なめのスープで仕上げたり、野菜を多めに加えたりすることで、外食よりも塩分・カロリーを調整しやすい。自宅での作り方については「家でラーメンを作る」で詳しく扱っている。

高血圧で治療中の人のように1日6.0グラム未満という数字を意識する場合、筆者は外食より家で作るほうが向いていると考える。袋の栄養成分表示でスープの塩分を確かめ、使う量を決めてから作れるからだ。どこまで減らせばよいかは、主治医や管理栄養士と相談して決めてほしい。

週何回までか、スープを残せば十分か、やめるべきか

ラーメンは週に何回までなら食べても大丈夫ですか?

明確な回数の基準は示せない。1日の食事全体での塩分・脂質のバランスや、健康診断の結果次第で個人差が大きいため、気になる場合は医師や管理栄養士に相談するのが確実。

スープを残せば塩分の心配はなくなりますか?

大幅に減らせるが、麺自体にも塩分が含まれているため、ゼロになるわけではない。それでも、スープを残すかどうかで摂取量は大きく変わる。

塩系・魚介系ラーメンなら塩分は少なくて済みますか?

スープの系統だけで一概には言えない。同じ系統でも店によって塩分濃度は異なるため、系統名だけで判断するのは難しい。

健康診断で指摘された場合、ラーメンをやめるべきですか?

この記事だけで判断せず、医師や管理栄養士の指導に従うのが基本。食習慣全体を見直す中で、頻度や食べ方を調整する一つの選択肢として考えるとよい。

野菜トッピングを追加すると栄養バランスは改善しますか?

野菜を追加することで、ビタミンや食物繊維の摂取にはつながりやすい。ただし塩分・脂質の摂取量とは別軸の話になる点は理解しておきたい。

栄養成分表示にナトリウムしか書かれていないときはどう読めばよいですか?

ナトリウム(mg)に2.54を掛けて1000で割ると、食塩相当量(g)になる。ナトリウム2,000mgなら約5.08グラムが目安。

お店でうす味にしてもらうことはできますか?

注文時に伝えれば対応してくれる店が多いとする自治体の資料はあるが、応じられるかどうかは店によって異なる。注文の前に確認するとよい。

やめるより、頻度と食べ方を設計する

ラーメン1杯には、日本人の食事摂取基準(2025年版)が定める1日の食塩摂取目標量に迫る、あるいは上回る量の塩分が含まれることがある。健康診断の数値が気になる場合は、ラーメンをやめるかどうかを自己判断するのではなく、スープを残す・頻度を見直すといった調整をしながら、専門家に相談して食習慣全体を見ていくのが現実的な向き合い方になる。

店の表示から、食べるものを選ぶ

外食の栄養成分表示のルールと、アレルギー表示への店の対応を扱った記事です。

出典
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」の数値を、次の公式・自治体資料で確認(確認日2026-10-23)
農林水産省 食塩の目標量と令和5年国民健康・栄養調査の平均値
千葉県のサイト掲載の減塩資料(スープの食塩相当量、ナトリウムの換算式)
大和市 減塩資料(汁を半分残した場合の減塩量、麺類1杯の食塩量)

アイキャッチ画像: 編集部作成のイラスト

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